股関節のFAI・グローインペイン症候群

FAIとは?

FAIとは、Femoroacetabular impingementの略で、日本語では『大腿臼蓋インピンジメント』と訳します。FAIは股関節で起こる障害で、股関節を形成する大腿骨(太ももの骨)と臼蓋(骨盤側の受け皿)との間に関節唇や軟骨が挟まれる(インピンジメント)ことをいい、グローインペイン症候群とも呼ばれます。

症状としては

お腹側に股関節を曲げてきた時に出る鼠径部の痛みがあります。鼠径部で何らかの軟部組織を股関節が挟み込んでいるためです。放っておくと変形性股関節症に進行することもあります。

FAIの3つのタイプ

  1. カムタイプ:大腿骨側に隆起などの形態異常があるタイプ。
  2. ピンサータイプ:臼蓋側に骨棘や形態異常があるタイプ。
  3. ①と②が合わさったタイプ。

FAIの原因としては

スポーツなどでの股関節の深い曲げ伸ばし動作を繰り返すことによる股関節構成組織の肥厚があげられます。

また、ペルテス病や大腿骨頭すべり症などの病気や形態異常が原因になるものもあります。

FAIに対する当院の施術

はじめに

当院の施術では形態に異常がある骨を元に戻すことはできません。ただし、変形した骨や関節にも正しい関節軸というものが存在します。その関節軸上で動作が行えるよう誘導し、痛みや可動域の制限を解消することが当院の施術の目的です。

また、症状があまりに強かったり長期間抱えていたりする場合、専門医への受診をおすすめします。その上で症状に変化がない場合や、手術を勧められたが出来れば受けたくないなどの場合はご連絡ください。

FAIが発症する背景には

悪い姿勢や間違った身体の使い方があります。

股関節で言うと、お尻にある大殿筋という筋肉の働きが低下し、大腿骨を後ろに引っ張る力が弱まることで鼠径部での挟み込みが起こると考えられます。この大殿筋の働きが低下する原因が、姿勢や身体の使い方の問題になります。具体的には腰が反り過ぎた姿勢や重心の異常による股関節の前側の筋肉の過緊張などです。

一般的には

過緊張した筋肉をほぐしたり、弱くなった大殿筋を鍛えて機能を改善したりすることがFAIに対する整体院や治療院での施術になるのでしょうか。ですが、それでは股関節だけをみているにすぎません。症状が出ているのは股関節でも、原因自体は股関節にあることは少ないのです。

である以上、股関節に対しての施術のみで終わるというのは対症療法でしかありません。

当院では

もちろん股関節周囲の環境を改善させることは必要ですが、それがメインではありません。根本的な原因は悪い姿勢や間違った身体の使い方にあり、更にそれを引き起こす原因は浅くなった呼吸にあることも少なくありません。

したがって当院の施術ではまず、吐き出せず浅くなった息を吐き出してもらいます。詰まった息を吐き出してもらうことで、余計な力が抜け、呼吸が深くなってきます。そして縮こまっていた身体が伸び、姿勢や重心位置が正されることで偏っていた身体の使い方も改善されやすくなります。

その上で必要に応じ、筋肉や関節、骨格の崩れを修正し、更に安定性を高めていきます。