有痛性外脛骨

有痛性外脛骨とは?

外脛骨とは足の内くるぶしの前下方にある過剰骨(骨片)のひとつです。詳しく言うと、足根骨のひとつである舟状骨の内側に存在します。外頸骨はすべての人が持つものではなく、約15~20%の人に存在すると言われています。

外脛骨が走行やジャンプなどのスポーツ動作で痛みが出ることを有痛性外脛骨と言います。つまりこれも外脛骨を持つすべての人が痛みを有しているわけではありません。多くが10代前半に激しいスポーツ動作を行うことにより発症します。

有痛性外脛骨の3つのタイプ

有痛性外脛骨には3つのタイプがあります。

タイプ1:

舟状骨から骨片が完全に離れた状態になっており、舟状骨に付着する後脛骨筋腱の中に骨片が入りこんでいる状態を指します。

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図1:有痛性外脛骨タイプ1

タイプ2:

舟状骨からは離開していますが、すぐ近くに存在している状態を指します。レントゲンで見ると舟状骨と重なって見えたり、すぐ近くにあるように映ります。離開して見える部分は軟部組織などを通じて連結しているようです。このタイプが最も痛みを伴いやすいケースになります。

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図2:有痛性外脛骨タイプ2

タイプ3:

舟状骨と完全にくっついているタイプ。レントゲンでは舟状骨が大きくなったかのように映ります。

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図3:有痛性外脛骨タイプ3

◎有痛性外脛骨の原因

有痛性外脛骨の原因の多くは、外脛骨に付着する後脛骨筋がスポーツ動作などで繰り返し引っ張られることにより起こります。

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図4:後脛骨筋腱と有痛性外脛骨

足の裏の内側アーチが崩れ、偏平足になることにより後脛骨筋を引っ張っているのが最も多いケースです。本来後脛骨筋が働くことによって足裏内側を引っ張り、アーチを形成しているのですが、何らかの理由で後脛骨筋の働きが低下することにより足裏のアーチが落ち、外脛骨にストレスをかけているということです。

後脛骨筋の働きが低下する原因は色々ありますが、足関節捻挫の影響によるものや、ふくらはぎの筋肉の過緊張によるものなどが一般的です。

有痛性外脛骨に対する当院の施術

まずはじめに、強い症状がみられる場合や長い期間症状を抱えている場合は一度専門医への受診をおすすめします。その上で改善があまり見られない場合や同じような症状を繰り返している場合はご相談ください。

一般的には落ちてしまった内側アーチを挙げるための手段として足底板やテーピングなどが施されます。確かにこれで痛みは軽減することは多いので、これはこれでありだとは思います。

ただしもっと重要なのは、後脛骨筋がなぜ使えていないのかを考え、使えていない後脛骨筋を使えるようにすることです。多くは捻挫後の筋バランスの変化や重心異常によるふくらはぎの筋肉の緊張が後脛骨筋を使えなくしています。つまり身体の重心を司る姿勢や動作を改善していかない限り、後脛骨筋の機能低下は改善されません。

したがって有痛性外脛骨への施術において、当院が最も重要視しているのが姿勢と動作になります。

さらに言うと、姿勢の崩れには心理的な原因があります。それが不安や恐怖心です。呼吸の浅さがそのような心理状態をつくることも珍しくありません。息が浅い、または息が吐けない状態に陥ると人間の姿勢は必ず崩れます。この呼吸の浅さも本人には自覚がないケースがほとんどです。したがって姿勢や動作の改善のためには、浅くなった呼吸を深くすることは不可欠なのです。

当院の施術では姿勢の崩れを呼吸の浅さから見直し、それにより問題を起こしていた身体の使い方を改善することで後脛骨筋の機能回復、外頸骨の痛みの緩和をねらいます。